翌日。
ハルくんは、いつも以上に私のことを気にしてくる。
昨日のことがあって、申し訳ないとか、そういうことなのかな…?だけど…話せるほど、私には余裕が無かった。
「ねえ、未雪?未雪、未雪…!」
ハルくんに名前を呼ばれるのはムズムズする。いくら叶わない恋って分かっても、諦められなくなる。
「何で奥寺さん、春也のこと無視してんだろうね?」
「それなー。こないだまで割と普通に喋ってたよね」
「代わりに私が春也と喋りたいなー」
「だけど春也、奥寺さん以外の女子には素っ気無いから無理だよー」
「絶対好きじゃん」
離れた所にいる女子の会話が完璧に聞こえてしまう。だから、違うんだよ。ハルくん、周りの女の子達に勘違いされちゃうから、そんな構わないでよ…。