ちゅんちゅん、というスズメのかわいらしいさえずり声で、藤原環奈はうっすらと目を開けた。

朝の六時にセットしていたスマホの目覚ましがちょうど、鳴る。

枕元のスマホを環奈は止めると、ん〜っ、と小さく伸びをして、ベッドから起き上がった。

四月とはいえ、朝はまだ少し寒い。

勉強机のイスにかけていた薄手のカーディガンを着て、環奈は自室から出た。