放課後、わたしは姫ちゃんに連れられて心霊研究部のある旧校舎のクラブの部室の前に立っている。

「なあ、なんなんだここは?」

早見君がわたしたちに聞いた。なんで早見君がいるのかと言うと、放課後になり、たまたま姫ちゃんの後ろを通り過ぎようとしたのを姫ちゃんが無理やり誘ったのだった。奢ってもらうものが決まったかも知れないからついて来てと、告げて。

わたしとしては早見君と行動する事は願ったり叶ったりなので、姫ちゃんの嘘を黙認した。

「心霊研究部の部室だ」

姫ちゃんは無理やり連れてきた事を忘れているかのように、当たり前に言う。早見君は呆気にとられた表情をする。

「心霊研究?いったい、何を奢るんだよ」

ほんとに何を奢るんだろうね。わたしにも想像ができないよ。姫ちゃんは何て答えるつもりだろう。

「ここで奢ってもらうものがあるわけないだろうが、バカなのか、おまえは。」

早見君は完全に呆れた表情をしている。