まばゆい光が突然現れると、わたしはまた光の中に吸い込まれた。そしてわたしの腕に人の温もりを感じる。

「千鳥、千鳥、大丈夫か」

ああ、姫ちゃんがわたしの腕を揺さぶっているのか。姫ちゃんありがとう。そんな泣きそうな顔しなくても大丈夫だよ。

ツッ。自動販売機にぶつけた場所に痛みが走り、顔を歪ませた。その表情を見て、姫ちゃんの腕に力が入る。

ゆさゆさと体全身がゆさぶらる。

「姫ちゃん、病人をそんなにゆさぶるもんじゃないよ」

わたしは姫ちゃんの頭の上に手を置いた。

「この手はなんだ」

「姫ちゃんが泣いているから、いいこ、いいこだよ」

フゥーと姫ちゃんは息を吐き出すと、わたしの頭をはたいた。

「いったーい」

「痛いじゃない、心配させやがって、このバカ千鳥」

「ごめんなさい」

わたしがそう言うと姫ちゃんはわたしに抱きついて、ほんとに心配したんだからなと言った。