「今の人、結可の彼氏なの?」

「・・・お、お母さん!」


自宅の前でニヤニヤ顔を緩めるお母さんに、あたしは心底驚く。


「な、何してんの?!」

「結可の顔が見たくなって、会いに来たのよ。で、今の人は彼氏なの?」

「まぁ。・・・とりあえず、中入ろう」


あたしは強引に、お母さんのことを部屋の中へと押し込んだ。


「お茶でも飲む?」

「ありがとう」


お母さんの分のお茶と自分のコーヒーを手に、テーブルに置く。


「で、いきなりどうしたの?」

「さっきも言ったでしょ?結可の顔が見たくなって・・・」

「それが本当の理由じゃないでしょ」


あたしは、お母さんの言葉を遮りる。