菅原凛は我慢するが、凛道蓮は我慢しない。

菅原凛でたまったストレスは、菅原蓮で発散する。

『俺』がグチグチ言うのは、凛道蓮になってからだ。


「・・・というのが、ヤマトと別れた後のことだ。」

「うはっはっはっ!わしが代わりに地獄送りにしよかー!?」


ヤマトが運転するバイクの後ろで報告すれば、明るい声で慰めの言葉をかけてくれるマブダチ。

単車を走らせながらヤマトは言う。


「いや~うははは!なんぼなんでも、はらわた煮えくり返るのぉ~!?凛が黙っててくれるなら、わしが煮たり焼いたりするでぇ~!?」

「どんな料理をするんですか!?いや、僕が自分で何とかしなきゃいけないことだからな・・・・・・」

「うはははは!無抵抗すぎるのもあかんでー!?そのうち自分、命を脅かされるようになるかもしれへんやん!?」

「そんな、大げさな・・・」

「うはははは!そうなったら助けたるわ!今日のところは、瑞希はんでリフレッシュしとき~!ちゅーか、今月は毎日Felicita(フェリチータ)が営業ってのはマジかいな!?」

「マジですよ。」


7月8月と、2カ月かけて夜店でコーヒーショップをした。

そこでお店の宣伝もしたので、新規のお客様を得るために、9月だけはほぼ毎日営業するんだって。


「僕も、お手伝いに通いますから。」

「うははは!新学期最初のテストは大丈夫かいの!?」

「大丈夫です。」

「わし、あかんかもしれんねん!うはははは!」

「勉強しましたよね!?もう忘れたんですか!?」

「うははは!ネット通貨のことで大変だったんや~!」

「ネット通貨?」

「せやねん!長ちゃんとつーちゃんとわしで、ネット通貨をしたんや!予想以上に儲けてしもうてなぁ~うはははは!」


ヤマトの話を聞いて、ふと思い出した。