菅原凛の携帯の電源を入れたのは朝だった。
「あれ・・・?」
睡魔と戦いながら、スマホの画面を見て気づく。
「LINEが来てる・・・?」
元友人兼クラスメートの原田夏美と岡村マキから、LINEをブロックされたのが数か月前。
いじめられるようになってから、誰からもLINEはこない。
なぜか、元同中の友人達からもこないが・・・深くは考えない。
渕上が裏から手を回した可能性があったので、無駄に傷つくような接触を私からはしていない。
だから誰ともLINEもメールも電話も、菅原凛はしていない。
それなのに、LINEが来たと言うことは――――――!?
(SNSによるネット経由のイジメもスタートしたの?傷つくけど、証拠になるからいいけどさー・・・)
不愉快な思いで既読する。
「え?」
それでさらに、びっくりした。
―菅原さん、吉田都史子です。明日のお昼ご飯、体育館の裏で一緒に食べない?―
「吉田さん?」
相手を理解したと同時に、LINEが送られてきた時間を見る。
「え!?学校が終わってからすぐにきてる!?」
基本、菅原凛の携帯は、学校を出て、ヤマトの家に行くまでは電源を落とさずマナーモードにしている。
学校を出てすぐに電源を落とすと、何かあった時に、即・通報できないから。
〔★凛は自衛をしている★〕
「どうしよう・・・これ昨日来たラインだ。」
(それなのに、今、気づくとか・・・)
「最悪だ・・・!」
(とにかく、返事を返して謝らなきゃ!)
そう思った瞬間、画面が変わった。
ルッルッルー♪
「え!?電話!?」
表示された名前は、LINEの送り主。
考えるよりも先に体が動く。
反射的に画面をタッチし、叫んでいた。