「あ、あの…お茶」
「…さんきゅ」


「タオルは、カゴに…」
「あ…うん」


「…あ、あのっ、ドリンクっ」
「うん」
「…っ」



* * *




「先輩、弥那先輩のことあからさまに避けてます?」
「なんで?」
「…だって、返しが淡白というか、素っ気無いというか」



和久が心配そうに俺を覗き込む。
低身長、160センチが上目遣いに見つめる。



「…ちゃんと、諦めようと思って。
自分でフったくせに、未練たらたらとかダサいだろ」
「ていうか、何でそんな未練たらたらの状態で別れようと思えたのかすらわかんないんですけど。…え、わかんないんですけど」



既にメンバーはほとんど部室を出ていて、残っているのは俺ら2人だけ。



「そもそも、直接聞いたんですか?弥那先輩がその、瑞李?さんですか?…その人のこと好きだって、本人が言ってたんですか?」
「…何が言いたいんだよ」