2話「今日だけの愛の告白」


 
 璃真は4月2日生まれ。
 空澄は3月31日生まれ。


 約1年早く生まれている璃真だけれど、ギリギリ2人は同級生だ。そのため、いつも空澄は璃真に手を引かれて歩いたり、助けて貰ったり、教えて貰ったりしていた。思えば、きっと小さな頃は友達より兄のように感じていたのかもしれない。
 けれど、小学生の中学年ぐらいになると幼馴染みという言葉を知り、彼とはそんな関係なのだと知った。彼は優しく穏やかで、どちらかというと外で遊ぶよりも本を読むのが大好きな男の子だった。逆に空澄は活発で休み時間になると外へ遊びに行っていた。性格が違う2人だったけれど、登下校は必ず一緒だった。お互いにその時間が好きだったのかもしれない。


 そんな時、小学生高学年の時にお互いの両親を亡くした。空澄と璃真のお互いの両親も仲がよく、4人で車に乗っている時に事故にあったのだ。空澄はずっと泣き続け、この先を考え不安になった。両親がいなくなってしまったら、自分はどうすればいいのか。
 そんな時にずっと隣で「大丈夫だよ」と言って慰めてくれたのは他でもない璃真だった。彼も同じように両親を亡くしているというのに、ずっと空澄を抱きしめたり、頭を撫でたりして「大丈夫。僕がいるよ。僕がいるから、いっぱい泣いたらまた笑ってね」と励ましてくれたのを空澄は今でも覚えていた。