高下の怪我の手当をして、私達は生徒玄関で真倫ちゃん達の帰りを待つことにした。


「ところでさ、理科準備室の窓……何もしなかったけど、やっぱり塞いだ方が良かったかな?」


「え、ええっ!? 高下さんが放っておけば? って言ったから何もしなかったのに!」


「いや、今考えたらさ、あの窓から中に入られたら、音がしないかなって。ガラスを割る音が聞こえたら侵入されたってわかるでしょ?」


今更そんなこと言わないでよ……。


でもまあ、あの時放っておくという判断をしたから、襲ってきたイーターを対処できたのかもしれないけどさ。


少しでも行動が違っていたら、反応さえ出来ずに食べられていたかもしれない。


「じゃあ、今から戻って塞いでくる? もう既に別のイーターが侵入してるかもしれないけど」


「こ、怖いこと言わないでよ! って、あ、ほら、皆帰って来たよ! ドアを開けないと」


さっきの件から、まだ遠慮はあるものの高下と話せるようになった。


一昨日の私が見たら、きっと驚くかもしれない光景だろうな。


「あれ? 待って? 山瀬さん、なに抱えてるのあれ」


ドアを開けて、走ってくる三人を見ながら、高下が呟いた。