「仮免、受かった〜!!」

同級生がそう言うたびに、胸がズシンと重くなりました。

高校三年生の十月のことです。進路も無事に決まり、私は自動車学校へ通い始めました。

自動車学校へ通う理由はたった一つです。車がないと、私の住んでいる田舎では生活が不便だからです。特別車がほしいというわけではなく、ただ免許が必要だからという理由でした。

私より先に行き始めた同級生たちは、勉強が難しいと言いながらもどこか楽しそうでした。私の通うことになった自動車学校は優しい先生が多いと聞いたため、私は何も考えずに通い始めました。

そして、新しい環境に心も体もついていけずに戸惑っていくのです。

先生は優しい人が多いです。しかし、勉強内容は車に全く興味のない私からすれば、とても難しく何を言っているのか理解ができないものでした。

学校が終わるとすぐに自動車学校のバスに乗り、四十分ほどかけて自動車学校に移動します。それから自動車学校の最終の時間まで五十分の授業を受けなければなりません。