――…目を開けると、特有の薬品のにおいがした。



「……、」



左腕は点滴がつながれ

身体全体の重さ、だるさは今までをはるかに上回る。



「……な、んで」



――…生きてる。


浅く働く思考の中で、まず分かったのはそれだった。



「っ白石さん!目を覚ましたのね、良かった…っ」



病院の個室。

わたしの手を握っていたのは、服部先生だった。