それから数日間、伊織は学校を欠席し続けていた。

わたしは学校へいつものように登校しては、部活を終えて帰る。

時間は変わらず流れ、ただ伊織だけがいない。そんな日々を過ごした。



母が気を遣ってか、希帆が目を覚ましたとあの日の夜に連絡をくれた。

…父はわたしに呆れかえっていて、顔も見たくないと言っているそうだ。無理もない。



――…別れると心に決めてから、わたしは自分でも驚くほどに冷静だった。



服や歯ブラシ、伊織の私物すべてを袋にまとめ、合鍵は封筒に入れてある。

…あとは伊織と話をするだけ。それですべてが終わるのだ。