暑い・・・毎日暑すぎる・・・
そんなことを考えながら顔にハンドタオルを置き、体育の授業を木陰でサボっている私。
須藤知佳。あまり運動は好きじゃない。本当はまだ頑張れたけど、もう頑張れないと嘘をついて校庭のランニングをパスした。
幼いころひどい喘息だった私の既往歴を知っている体育教師はだいたいはそういうと私を止めないでくれるからありがたい。本当は喘息なんてとっくに治っている。風邪が悪化すると時々軽く症状が出る程度。でも、既往歴って・・・正直使える。

あと20分くらいはここで時間をつぶせる。

そんなことを考えていると
「おいっ」
低音の心地よい響きの声をかけられた。

これで目を開けてら王子様のようなきれいな顔の人がいたら最高なのに・・・
まさか先生じゃないでしょうね・・・

そんなことを考えながら顔にのせているハンドタオルを少しずらし、恐る恐る声の主の方を見る。