王城内の長い廊下を王様の後に続いて歩く。


スレンスト帝国のお城よりも落ち着いた雰囲気の内装だが、決して地味と言う訳ではなく。


宝石のつけられた豪華なシャンデリアが、頭上で眩しいくらいに輝いている。


連れて来られたのはある一室で、白色の家具が基調となった絢爛豪華(ごうかけんらん)な部屋。


右上に見える茶色のドアは寝室へと続いているのか、その部屋にはベッドは見当たらない。


一体、ここは誰の部屋なのだろう。


疑問に思いながら、部屋の中を見渡していると。


「ここはそなたの部屋だ」
「え………っ!?」
「何故、その様に驚く?」


私の見せた反応に、『意外だ』とでも言いたげな表情を見せる。


これぐらい当たり前だろ。
そんな声が今にも聞こえてきそう。