同じ部屋にいるのは
やっぱりつらいよ

マコ姉の寝息が聞こえる

それだけで
僕の体が反応するんだ

マコ姉を抱きたいって
叫ぶんだ

僕は
マコ姉を起こさないように着替えると
コートを着て

部屋を出た

外は寒かった

『ごめんね
光ちゃん

マコ、忘れられないよ

瑛ちゃんのこと
忘れられない』

そう言って
マコ姉は
僕の前で

膝をついて
謝った

知っていたよ
そんなこと

僕に抱かれながら
心では
兄貴を
求めてたの

知ってて
マコ姉を抱いたんだ

だから
お互い様なんだ

僕は
マコ姉を抱きたかったし

マコ姉は
兄貴のかわりが欲しかった

ずっと
兄貴の身代わりで良かったのに

「もう
さよならだね」

僕は夜空に向かって
呟いた