「寧音ちゃん!」


「え?……わわっ」


「一緒にお昼食べない?」



チャイムが鳴ったと同時に、穂乃花ちゃんがうしろからハグしてきた。


び、びっくりしたぁ……。



文化祭から1週間。

エンディングも無事に成功し、感動の嵐で終えられた。


……けど、なぜか文化祭後から
穂乃花ちゃんのスキンシップがはげしくなった。


いや、うれしいんだけどね?


同じ文化祭実行委員として頑張ったし、仲が深まった証だし!



ただちょっと意外だった。

穂乃花ちゃんってもっとおしとやかな印象があったから。


距離をがんがん詰めてくる穂乃花ちゃんもかわいくて好き。



「寧音ちゃんの分もお弁当作ってきたの。よかったら食べてくれないかな?」


「ほんと!?すっごくうれしい!食べる食べる!」



わたしの席を穂乃花ちゃんの席にくっつけようとしたら、



「おい」



横から円が割って入ってきた。


ど、どうしてにらんでくるの!?



「ふふっ、いいでしょー?」


「離れろ」


「え……ええっ!?」



ぎゅっと抱き着く穂乃花ちゃんに、円はさらに目つきを悪くする。


……これは一体どういうことでしょう。


ハッ!


も、もしかして円……穂乃花ちゃんに抱き着かれたいの!?

忘れられない人ってやっぱり穂乃花ちゃんだった!?