「行ってきまーす!」



 お母さんとお父さんにそう言って、家を出る。

 玄関を出てすぐ、大好きな人の背中を見つけた。



「おはよっ、まさくん!」



 家の門にもたれるようにして待ってくれていたその人に、笑顔で駆け寄る。

 私に気づいたその人――幼なじみのまさくんは、眠そうに振り返った。



「......はよ」



 口を大きく開け、あくびをしたまさくんを見て笑みがこぼれる。



「なに笑ってんだよ」

「ふふっ、まさくんすごい顔」

「うるさい。遅れるから早く行くぞ」



  恥かしそうに少し顔を赤らめて歩き出したまさくんの隣に並び、一緒に学校へ向かった。