部活が終わり、あと片付けをする。
みんなが帰った後も、私は部室に残っていた。
サッカー部のまさくんが終わるのはもう少し先なので、いつもこうして部室で待っている。
本を読んだり、宿題をしたり……まさくんを待つ時間は、全然苦痛じゃない。
早く会いたいな……と思っていると、ちょうど部室の扉が開いた。
現れたのは、心待ちにしていた人。
「花、お待たせ。帰ろっか?」
私を見て笑顔でそう言ったまさくんに、「うん!」と頷いてカバンを持ち駆け寄った。
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少し暗くなった空の下、2人で並んで帰り道を歩く。
「今日は何作ったの?」
まさくんの言葉に、カバンの中に入れたもののことを思い出した。