【葵side】


境界線を気にしていたわりに寝つくの早すぎだろ。


……さっきまで怖がってたのは誰だよ。



おやすみも言う間もなく一瞬。


でも、そんだけ安心してくれてるってことなんだろうけど。



護衛になって数日。


雨野は、到底知らない。


俺が本当に栄一さんに“ 依頼されて来た ”護衛だと思ってる。



────“雨野空です!えっと、尊敬している人は警察官のお父さんです……!”



こいつがあの栄一さんの娘かと知ったのは、その時からだった。