ケータイ小説 野いちご

極 愛 <上>

桜涙

長く白い坂道を、私は息を切らしながら走った。
どこからか聞こえてくる、蝉たちの合唱。
並木道の葉っぱが、太陽の光を緑に染めて足元に揺れている。
「……あつ゛い」
半袖のセーラー服の肩口で、おでこの汗をぬぐう。
「皇月のお嬢」
「ん?」
後ろから呼ばれた声に、ふと足を止めた。

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