杏はゆっくりと重い体を起こして、 ベットに座った。 (ここから一番近い自販機、どこだろう…) スリッパを履いて、 痛みが増す頭でドアまでたどり着き、 そこからふらふらと歩き出す。 いつもならすぐに行ける距離なのに、 痛みを我慢してゆっくり歩くと、 倍くらい時間がかかった。 やっとのことで自販機にたどり着き、 ミネラルウォーターのボタンを押そうとした時だった。 「あっ…」