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先輩たちとの楽しいお昼休みも終わり、美羽と二人で教室までの廊下を歩いていた。

黒崎先輩のこと、ずっと見れたな…
しかも目の前で! ずっと…!

そんなことを考えてはつい顔がニヤけてしまう。
先ほどの出来事がまだ夢のようで夢心地。
頭がフワフワしてるのだ。

普段は遠くから眺めては告白し玉砕しての繰り返しだったから、こんな日が明日も明後日も明々後日も、そのまた次の日も続くなんて…まだ信じられないよ……

先輩のこと、まだまだ知らないことが多いけど、もっと知りたい。 まだまだ足りない。
こんな私我儘で、また先輩にはたくさん煙たがられちゃうと思う。
それでも、黒崎先輩のことが大好きでたまらないから。

先輩の、誰にも気づかれないような少しハネた寝ぐせとか、リンゴジュース飲んでるとことか、ひとつ知ればまた好きになる。
それが重なり合って、どんどん大きな大好きになっていく。

私、このままじゃきっと先輩で溺れてしまうんじゃないかな……


「小枝、大丈夫?」

「ん? 何が?」

「私が余計なこと言ったせいで、あんなひどいこと言われて…ごめん……」

美羽は申し訳なさそうな顔をして私に謝った。
私が黒崎先輩の言葉にショックを受けてるんじゃないかと心配してくれてるんだろう。