父さんごめんなさい。



そして、今までありがとう。



今度こそ頑張るからね。



恋も仕事も絶対最後まで諦めたりしない。



近頃はコンビニ強盗も増え、一人で店にいたとき、強盗に襲われた場合の対処方を教えて貰った。



「店長、強盗に言われるままお金を渡して構いませんからね。」



「決して大声を出したり、強盗と戦おうと思ったりしないで下さい。」



圭吾君が笑いながら言った。



「それから強盗を追いかけるのも駄目です。」



圭吾君は、なぜか楽しそうです。



いくら、勝ち気な私でもそこまではしない。


万引きも多いらしく監視カメラの位置と、別の部屋でカメラの見方も教えてもらう。


その時おかしな動きをする人を発見した。



おばあちゃんがポケットにパンを入れているのだ。


圭吾君は店内に戻り、そのおばあちゃんを連れて来た。


私は体が震えて上手く動けないでいると。



「おばあちゃんがポケットにパンを入れたのを見ました。今回で3回目ですよ。」



見た目は品の良さそうなおばあちゃんが、3回も万引きしたとは思えない。


圭吾君どうするつもりなのか。



私はどうしたらいいの。



圭吾君と目が合ってしまう。



「彼女がこの店の店長です。おばあちゃんがしたことは犯罪なんですよ。警察に通報しますからね。」


おばあちゃんが泣き出してしまったので、どうしていいのか、分からないまま圭吾君を見つめていると。



おばあちゃんは泣きながら財布から一万円を出し、圭吾君の手に握らせるのを見た私は、思わずその一万円を奪い取った。


「お金があるなら、最初から払いなさいよ。なんで、万引きなんかするわけ。」


そのおばあちゃんは泣いてなんかいない、嘘泣きだ。



圭吾君は新店の店長になることが決まっているので、全ての仕事を私に引き継ごうとしている。


万引き常習犯のおばあちゃんをどうすべきなのか。


警察につき出せば済む事なのだろうか。


ない頭で必死に考え、私の答えは決まった。


「今まで万引きしたパン3個分のお金を払って下さい。そして、これからもこのコンビニでお金を払って買い物をしてくれるなら、警察には連絡はしない。約束を守れないなら、即警察につき出します。」



おばあちゃんに約束書を書かせ、拇印を押して貰った。


これでいいのか、分からないけど、私なりの考え。


圭吾君に店長らしいと誉められ、頭をポンポンされた。



なんだか、とても嬉しいです。



おばあちゃんが帰って行き、圭吾君と顔を見合せて笑った。



圭吾君の夢は遠く離れた彼女と結婚して、自分のお店を持つこと。



圭吾君が嬉しそうに彼女の話しをする。



圭吾君に愛されてる彼女は幸せだね。



圭吾君と楽しくお喋りしていると、不機嫌な顔をした聖夜が目の前に現れた。



聖夜の顔がかなり怖い。



何か、誤解してませんか。



圭吾君の彼女の話しを聞いてただけなのに。



圭吾君はまったく聖夜の存在を気にせずに、話し続けているし。



無理矢理聖夜に連れて行かれた。


ちょっと、離しなさいよ。