今日はもう加奈子さんの事はいいかな。


聖夜に仕事に戻ろうと、声をかけようとしたら。


ファミレスに綺麗なお姉さんが現れた。



え、ぇ、加奈子さんが登場って訳ですか。


絢香さんが呼んだの。



聖夜の顔色が変わる。



なんか、不味い事があるとか。


この場に私はいない方がいいかも。


「私はお店に戻るよ。」


「おばさん、逃げる気。」


嫌、違うけど。


女が3人で、聖夜を取り囲むなんて、無理。


聖夜と絢香さんと、加奈子さんで話なさいよ。


私は関係ないから。


関係ないと思います。



「あなたが今の聖夜の彼女さん。」


頷くと。


「聖夜の趣味変わった。聖夜には似合わない。」



綺麗な顔できつい口調。


私とは見た目も全く違う。


身長は高いし、スリムでモデルさんみたい。



「加奈子は何をしに来たの。俺たちは別れてるはずだ。加奈子に何の未練もない。」



加奈子さんが聖夜をにらみつける。


綺麗だけど怖い。


この場から逃げたいです。


席を立とうとすると、聖夜に抑えつけられる。


《逃がさない。》


聖夜の心の声が聞こえた。


怖いよ、聖夜。


「加奈子さんは聖夜とよりを戻したいんだって。加奈子さんが聖夜の彼女なら、諦める。」


聖夜、離しなさいよ。


私がいなくてもいいでしょ。


「悪いけど、加奈子とやり直すつもりはないし。俺が好きなのは美莉なんだよ。二人ともいい加減にしろ。」


聖夜が私の腕を持って、立ちあがり、無理矢理私を連れて歩き出す。


まだ、ジュース飲んでないし。



「待って、聖夜。これからは何でも聖夜の言う通りにするから、お願いだから、考え直して。」


加奈子さんを無視して歩く聖夜。


イライラする。


聖夜の腕をふり払う。



どいつも、こいつも、本当にめんどくさい奴。



「三人で話して下さい。」



そのまま、ファミレスを飛び出した。


いい加減にしろ。


ひたすら、走る。


え、何で、聖夜が走って来るのよ。



あ、直ぐに追いつかれた。