母は他の従業員とも直ぐに仲良くなり、問題なく仕事をこなしていた。



宅配も長谷川四郎さんが、団地のお年寄りに声をかけてくれたおかげて、週3の割合でお弁当や飲物の配達が決定。



兄の雅司も宅配を手伝ってくれるので、私としては助かってるし。



聖夜と兄と姉はいつの間にか、一緒に食事に行く関係になり。



姉はかなり聖夜を気に入り、美莉より私の方がいいわよと何度も、聖夜に迫ってる。



家族みんなが聖夜を、家族同様に扱ってくれるのは嬉しいけど、私だけがその輪の中に入れず、複雑な思いでいた。



嬉しいのに、なんだか聖夜を取られてしまったみたいで、面白くない。



多分、ひねくれ者の私の我儘。



だって、聖夜と二人切りになれないもの。


こうなったら、聖夜なんか無視してやるんだから。


仕事を終えた私は、先にマンションに帰った。


聖夜がマンションに帰って来なかったのは、付き合うようになって始めての事。



この浮気男、知らないんだから。



もう、別れてやる。



泣けて来た。



聖夜のバカヤロー。



連絡ぐらいしなさいよ。