ケータイ小説 野いちご

岐阜のケーキ屋と車椅子少年。

プロローグ。


私、松嶋菜乃(まつしまなの)は、最近まで
不登校だった。理由は、イジメだ。

ほんの些細なことだった。
私の仲良くしていたグループで、そのリーダー格である
真由香の好きな先輩が何故だか私に告白してきた。
今でもそれが不思議で仕方がないがスポーツ万能で
カッコいい先輩ではあった。

しかし私は、好きではなかったし
真由香のことが、あったからその告白は断った。
だが逆にそれが彼女の逆鱗に触れてしまったようだった。

いい気になっているとか。密かに媚びを売ってたとか
陰で悪者扱い。クラスから無視をされ孤立させられた。
それだけではない。教科書や机も落書きされたり
雑巾を投げられたこともあった。

それから私は、学校に行けなくなった。
両親は、心配してくれたが仕事で忙しいし
教師は教師で早く学校に来いとかうるさいし
引きこもりになっていた。夢も希望もない退屈な日々。
つまらない。するとその話を聞いた岐阜に住んでいる
母方の祖母が私に電話してきた。

『夏休みの間だけでもいいから
ウチにござったら?」

岐阜に来いと誘ってくれた。
祖母の住んでいる岐阜県には、小さい頃に
行ったきりだ。だが私は、その話に飛び付いた。

何処でも良かった。
この街から……知る人がいないところに
ただ逃げたかった。

そして夏休みの間だけ私は、祖母の居る
岐阜県岐阜市に向かった。
岐阜市に行くには、新幹線に乗り名古屋で降りると
JRで岐阜市に行かないとならない。
もちろん名鉄でもいけるけど……。
両親は、仕事があるため行くのは、私だけだ。

映画や温泉なので、岐阜県だと
飛騨の下呂や郡上などが注目されやすいが中南部には、
岐阜市の他に大垣市、羽島市、瑞穂市
各務原市、関市などが多くある。

特に岐阜市は、岐阜城があり
かつて稲葉山城と称し、戦国時代には、
斎藤道三公の居城でもあった。
不世出の英傑織田信長公がこの城を攻略し
この地方一帯を平定するとともに
地名も「井の口」を「岐阜」と改称し
天下統一の本拠地としていたとか。と言っても
これは、あくまでも習った程度で小さい頃しか
行ったことしかない私には、よく分からないことだ。

岐阜駅に着いて電車から降りると改札口を出て
エスカレーターで降りた。
意外とJR駅の中は、いろんな物があった。

サイゼリヤやお洒落な喫茶店アクティブG?
へぇ~飲食店が多いのね。
パンフレットを見ながらキョロキョロしていると
遠くの方から私の呼ぶ声が聞こえてきた。

「菜乃ちゃん!」


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