休日のバスは随分と空いていて、あたしたち4人は一番後ろの広い席に並んで座る事になった。


「貯水池からショッピングモールまでは歩いていける距離だから、ひとつ前のバス停でおりよう」


直弘がスマホで地図を確認して言った。


「バス停から貯水池までの距離は?」


そう聞いたのは知樹だ。


知樹はさっきから興味津々に直弘のスマホを見ている。


「歩いて3分ほどの場所にあるみたいだ」


「近いな。ワクワクしてきた」


根っからのホラー好きの知樹が目を輝かせている。


あたしも怖い話は大好きだけれど、それはフィクションだと分かっているからだった。


フィクションなら、どんな内容でも安心して見たり、読んだりすることができる。