翌日

「ごめんね。私には今好きな人とか居なくて・・・。実感も湧かなくて・・・。だから本当にごめんなさい」

私は谷中くんに返事をしていた。

「・・・お試しでもいいから付き合ってみませんか?」

・・・えっ?

この人私の話聞いてた?

私今好きな人いないって言ったよね?!

スルーされた?

「嫌ならいいんだけど、でもお試しだったら普通の付き合いよりちゃんとしてない?だろうし、そのうち気持ち変わるかもだから・・・」

・・・えぇ〜?

何それ・・・。

結局付き合うか付き合ってないか微妙な感じにならない?

でも付き合った事ないし。

そういう恋愛の勉強にもなるのかな・・・。

「もし気持ち変わらなかったら振ってくれていいから・・・!」

ちょっと辛そうな顔で谷中くんが付け足す。

きっと振られるの辛いよね。

付き合う事で好きな人への気持ち理解できるかもしれないし。

恋愛経験の無い私にはいい勉強になるかもしれない。

「いいよ、お試し、付き合ってみる」

こうして、私たちのカレカノ生活(仮)が始まった。