法医学研究所の部屋では、監察医の霧島藍(きりしまあい)、木下朝子(きのしたあさこ)、アルバイトで来ている医大生の河野大河(こうのたいが)が部屋に置いてあるテレビを見ていた。

珍しく今日は穏やかな時間が流れている。解剖がない日は珍しい。

「あ〜あ、いつもこんなに穏やかだったらいいのに……」

朝子がそう言うと、「確かに!そうしたらもっと遊べますよね!」と大河も頷いた。藍は二人に苦笑しながらテレビを見続けている。

「では、次のニュースです。先月倒産した××製薬会社から劇薬が盗まれていることが発覚しました。現在、警察が捜査にあたっています」

「××製薬会社って、霧島さんと東北に行った時に働いたいた人がいたところですよね」

「美里さんのことね」

藍が大河に彼氏のフリをお願いして実家に帰った時、その製薬会社で働いていた福山美里(ふくやまみさと)と少し話したのだ。

「えっ!?一緒に東北ってどういうこと!?」