仕事にお祖母ちゃんの通院の付き添い、家のことや甘いもの巡り、休みの日でも新作のことを考えたりしていたらあっという間に約束の木曜日はもうすぐとなった月曜の夜。

 この日、久しぶりにお店に私の数少ない友人和美がやってきた。

 和美は都内の大手商社で役員秘書として働くバリバリのキャリアウーマン。英語にフランス語まで堪能なキリッとした雰囲気の和風美人。
 和美とは中高の女子高で知り合って、お菓子作りくらいしか取り柄のなかった私と勉強もスポーツも得意な和美ではかなり反対な感じなのだが、和美は無類の甘味好きだった。
 なので、たまに私が新作のアイデア探しに甘味を購入すると声をかけて一緒に食べたり、出かけたりする数少ない友人である。

 「夏乃! 久しぶり。やっと今月ここに来れたよ!」

 そんな声を出す和美は三週間ぶりに顔を見たら、少しお疲れ気味の様子。
 私は今日作っていた中で和美が好きそうなものを見繕って、デザートの三種盛りを作って、濃いめのカフェモカとともに珍しく私自身でサーブしに行った。