「これ…私のドレス…?」
「そう」
誕生日パーティー当日、ヘアメイクなどを施してもらうため滝川家にやって来た私は目の前にあるドレスを見て目を見開いた。
だって、だって……。
「なにこれ、可愛いよ!絢人!」
見てみて、と絢人に興奮気味に言うけれど絢人は「早く着替えて来いよ」と興奮状態の私に呆れ気味だ。
遥くんはパーティーの主役だから先にパーティー会場に行っているらしく、私は後から絢人と一緒に行くことになっている。
だから今初めて遥くんが用意してくれたドレスを見た訳なんだけど…。
「素敵…!」
遥くんが用意してくれた淡いピンクのAラインドレスは背が高くない私をスタイル良く魅せてくれるだけじゃない。
袖がなく大人っぽさを出しつつも所々にリボンがあり可愛らしさも出している上に、チュール素材の裾はフンワリとしていてとっても素敵なドレス。
それに私の好きなピンク色。
こんなに可愛いドレスを遥くんが私に選んでくれたんだと思うと顔も綻ぶ。
「オーダーメイドなんだって」
「うそ…」
「本当」
絢人の言葉に更に嬉しさが増す。