「真湖りん……
 真湖りん」

 低いような高いような、それでいて、聴き心地の良い声に真湖は起こされた。

「もうあっち行って寝たら?」

 宴会のあと、どうやら、こたつで行き倒れて寝ていたらしい。

 起こしてくれたのは、羽村のようだ。

 雅喜たちは、まだキッチンを片付けながら、キャンプのときの火のつけ方について、語り合っていた。

 茶碗の音と、雅喜たちの話し声を聞きながら、ぼんやりしていた真湖だったが。

「はっ、赤ちゃんっ」
と飛び起きる。

 慌てて、リビングのソファの向こうにあるベビーベッドに向かい、ダッシュした。