何だかしっくりこないが。

 とりあえず旅行に行き気分を変えてみようと言う事になった謙と美奈。


 謙はやっと犬から解放されると思った。

 ああ、俺は犬が嫌いなんだ。

 好きじゃない犬と一緒にいるのがストレスなんだ

 旅行で解放されれば、少しは気が晴れるか? 


 そう思って、謙は旅行の日を待っていた。


 しかし…。


 週末の旅行の日。


 車で行く事になり準備をしていた謙。

 小太郎はペットホテルにでも預けるのだろうと思っていた。

 しかし…。



 車に旅行鞄を詰めて、謙は運転席で待っていた。

 すると準備をした美奈が、玄関から出て来た。

 と…

 小太郎も一緒にで出て来た。


 行く途中に預けるのか? と謙は思っていたが。


「お待たせ、じゃあ行こう」


 と、小太郎の荷物も車に乗せて一緒に乗り込んできた美奈。


「おい、美奈。小太郎はどこに預けるんだ? 」

 謙が尋ねると、美奈はきょんとなった。

「小太郎を預けるって? 」

「いや、今日の旅行は小太郎は連れて行かないんだろう? 」

「何を言うの? 一緒に行くに決まっているじゃない」

「え…」


 犬同伴の旅行? 


「でも、宿はペット禁止だろう? 」

「ううん、小太郎もいっそに泊まれる宿よ」


 ええええええええええええええええええ!!!

 小太郎を預けて気分を変えてじゃなかったのか?

 謙は驚きつつも、半分呆れてしまい返す言葉が見つからなかった。


「小太郎を置いてゆくわけないじゃない。大丈夫よ、小太郎はちゃんとゲージに入れて置くし。寝る場所には入れないから」


 お前…。

 それ、家と変わらないじゃないか。

 どんだけ邪魔されたか分かっているのか? 


 謙はもうここまで来たら、拗ねてしまっていた。