「うー…」


この前の、智紘先輩の言葉が頭に焼きついて離れない。

こんなこと今まで一度もなかったのに、まさか先輩があんなことを言うとは思っていなくて…。


不覚にもかっこいいと思ってしまった。

……って、世間一般では先輩はイケメンなんだけど…。


「春香ちゃん眉間にシワ寄ってるけど大丈夫?」


智紘先輩の声がして左を見ると、すぐ近くに顔があって、「え!?」と思わず声を上げる。


「ここ、眉間にシワよってるよー」

「ちょ…、近い、です…。」


先輩の肩を手で押し返すと、「あ、ごめん」と言って大して慌てる様子は全くない。

……なんか、わたしばかりがソワソワしたりしてる気がする…。


「それより春香ちゃん、何考えてたの?」

「な、んでもないです」

「あんな悩んでたのに?」