冬になる少し前。

「綺咲、お待たせ」

「司暢〈シノブ〉くん」

「行こっか」

「·····うん」

手を繋ぐような関係になった私と先輩。

デートももう当たり前のようにしてて。

司暢くんは案外私のこと大切にしてくれるし。

好き、だったり。

キス、だったり。

愛情表現だって欠かさない。

意外と満たされてる自分もいて。

司暢くんのことを、本気で好きになれそうって。

心から思っていた。

「寒くなってきたな〜」

「そうだね·····雪、そろそろかな?」

「綺咲は雪が似合いそう」

「え?」

「だって色白だし。俺思うんだよね。こんな美人な彼女できたことないから幸せだ〜って」

ほら、ね。

こんな甘い言葉言われたら普通にたまらなくなる。