高校3年生の私は、壱夜(いちや)と同じ大学に入りたくて、ただ今猛勉強中。

壱夜は頭がいいから、いつも壱夜の家で勉強を教えてもらっている。

壱夜とは幼なじみで、昔から一緒にいるけど、付き合うようになったのは最近のこと。

昔は壱夜と理央(りお)の3人でずっと一緒だった。

だから未だに2人でいることが少し恥ずかしくて、ちょっとだけ慣れない。


「このfireってどういう意味だっけ?」

「これはいくつか意味があって、この場合は前後の英文と組み合わせると、火をつけるって意味になるよ」

「へー、そうなんだ。さすが壱夜!」


私が勉強教えてって言っても、文句ひとつ言わずに付き合ってくれる壱夜。

本当に優しい。

教えてもらった単語をノートに書き写していると、なんか視線を感じる。

そう思って顔を上げると壱夜と目が合った。


「な、なに?」


そんなに見られると恥ずかしい。


「真剣に勉強してる好美もかわいい」

「ちょっとやめてよ…」


そんなこと言われたら勉強に集中できなくなるじゃん…。

壱夜はサラッとこーゆうこと言うから恥ずかしい。

なんて思っている間に、壱夜の手が私の頬に触れて。

より一層心臓が高鳴った時、スマホが鳴った。