「んっ……」
 
目を覚ますと、身体に感じる重み。そっとうしろを見ると、俊輔さんが規則正しい寝息を立てていた。

 気持ちよさそうに寝ちゃってる。
 年上なのに寝顔は幼さが残っていて、クスリと笑ってしまう。

 お互いのことを「瑠璃」「俊輔さん」と呼ぶようになって七ヵ月が過ぎようとしていた。
 社長の就任した彼は毎日が忙しく、やっと最近になって落ち着いてきた。こうしてふたりで過ごす時間も増えて、俊輔さんのマンションに泊まることもしばしば。私の荷物も少しずつ増えている。

 今日は日曜日。本当はもう少しこうして彼のぬくもりに包まれていたいところだけど、そろそろ圭太君が起きる時間。
 朝ご飯にパンケーキが食べたいって言っていたから、準備をしないと。

 起こさないようにベッドから抜けようとしたけれど、俊輔さんが目を覚ました。

「瑠璃……? もう朝か?」

「はい、でも俊輔さんはまだ寝てていいですよ」

 起き上がってベッドの下にある服を手にしようとした瞬間、ベッドに引きずり戻された。

「まだダメ」

「えっ?――んっ」

 あっという間に組み敷かれると、唇を塞がれる。

「俊輔さん、圭太君が……」

「大丈夫、まだ起きてこないよ」

 そう言うと口づけは深くなり、彼の手が身体に触れるたびに甘い声が漏れる。
 それも私の弱いところばかり責め立てられ、翻弄されていく。