わたしが精神科にかかったのは、17歳のとき…心療内科に通院していたが、2度の自殺未遂で、救急病院から紹介を受けたのがきっかけだ。

 父と2人で行く道中、お互い口を開くわけでもなく、居心地の悪い時間が続いた。

 担当の先生は、わたしの家族構成や、いじめの経緯などを熱心に聞いてくれた。わたしは、なんでも素直に話すタチだったので、当時の男関係から、初めてのときの話、それからの生活なども全て話した。

 家族への不満、家にいたくないことなども全て話した。

 先生は全部受け止めるように話を聞き、最後に言った。
「辛かったね。僕は愁ちゃんの味方だけど、予約以外のときは、話を聞いてあげられない。それだけは約束だよ。」
「はーい。」
 わたしは素直に返事をして、初診は終了。先生は40代前半。そこそこイケメンの先生だったので、わたしはすぐに気に入った。

 帰る前に、先生が父ちゃんに言った。
「長くかかることが予想されるので、自立支援の書類を役所に提出してください。少なくとも3〜5年はかかると思います。」

 父ちゃんは、苦い顔をしながら、
「わかりました。」
と言った。