「日南様は肌が白いので、こちらなんて似合うと思いますよ」
「じゃあそれも追加で。いったん試着室行ってくる」


「かしこまりました」



店員さんと暁の会話のあと、彼は私の手をとって向かった試着室。








今、私たちはどこにいるのかというと……服屋さんに来ている。
それもただの服屋さんではなく、高級感溢れる服屋さん。


学校から帰る時、迎えの車に乗ったら、「このまま向かいますね」と運転手さんから言われて。
私はよくわからず返事をしたら……ここへと到着していた。


あとからバイクで合流した暁にいろいろ聞く時間もなく、店内へと入ればびっくり。
店員さん3人が、暁に向かって頭を下げたのだから。


それから暁と会話をすると私の服を選びはじめ、現状に至る。




まだなにも暁から説明されてないけど……これは、私の服を買いに来たんだよね!?
店内にはレディースの服しかないから、絶対そうだよね!?


「暁、あの、ちょっと来て……!」


誰もいない試着室。
私は靴を脱いで入ると、彼を小声で呼んだ。