目を開ければ見えたのは、見慣れた天井。
部屋は薄暗く、常夜灯だけが部屋を照らしている。




ぼんやり天井をただ見つめていたが、ふと左手を握られているような気がして。



左をちらりと見てみると、そこにいたのは……黒服姿の暁。


私は布団にいるのに、彼は畳の上で布団も使わず横たわっている。
目を瞑っているから寝ていのだろうか。




……そういえば私、いつの間に一条組の家に帰ってきていたんだ。
あんなことがあって、車に乗せられて……そのあとの記憶がない。


寝てて運んでもらったんだろうな。
あとでお礼言わなくちゃ。




っていうか……暁、寒そう。


夜は冷えるから布団をかけて寝ないなんて、風邪ひきそうだ。