『今から、監督者会議を始める』



総合監督の声で他5人の監督の間に
ピリッとした空気が流れる。



1番上座に総監督、
そしてその両脇に私とルート
そしてその下に並ぶように3人の監督が座る。



『明日の練習なんじゃが』



『総監督。』



『なんじゃ』



総監督の言葉がテイラーによって遮られる。



『その前にお話があります。』



総監督はやれやれという風に首を振ると
手を出して先を促す。



『私は、千夏がここに居ることは反対です。』




『理由は?』



『千夏は高校生です。
しかもスポーツに関する学を受けた訳では無い


そんな中途半端な人が居ても
迷惑なだけです。』



ガタン!



顔を赤くしてルートが席を立つ。



『テイラー!
君は去年の代表を侮辱する気かい!』



『そんなこと言ってません』



『去年の代表がワールドカップで優勝したのは
千夏の貢献が高い、


そんな事はラグビーに関わるものなら
承知の事実だろう。』



『それでも彼女は高校生だと言っているんです。
たかが高校生がこのオールブラックスにいては
オールブラックスの名が泣きます!』



『それは君の勝手な憶測だ!』



『そうだとしても!
ニュージーランドのファン達は
受け入れないんじゃないんですか?』



『それこそ論外だね。
千夏は君とは違って去年からの参加だ
立場は君の方が下だと言う事を
自覚した方がいい』