「とーわー!

 人が足りないの!どうしよう!」


「…え?何の話?」


「え?生徒会に決まってんじゃん。」


「いやいやお昼になって

 会って最初の言葉がどうしよう!なのに

 わかるわけないよね。」


そう、お昼ごはんの時間。



始業式の日から3日経って、学食の雰囲気も大分わかってきた。


お昼は凛ちゃんと食べるんだ。


まだ友達いないし…。




「なんかね!

 会長はレオじゃん。

 副会長は凛とマサじゃん。

 書記がユートしかいなくて、

 会計はリヒトと1年の子らしいじゃん。」


「は、はぁ。」


いや誰々じゃんって言われてもわかんないよ…?



「だから書記が足りない。

 しかも1年生も足りない。

 よってとわが書記になりますっ!」


「いや、ならないよ?

 ってかなんでそーなった?」


「だってとわ、字上手いじゃん。

 レオの推薦という名の強制生徒会入り

 おめでとう!」


「レオさんの推薦?」


「今日の朝レオが凛のとこ来て、

 山本兎羽さんを書記に立候補させて下さい

 って言われた。」




「………えぇぇぇ!?」


なんで!?


ていうか名指し!?




「なんかねー、

 レオは先生達にも超気に入られてるから

 新入生の履歴書みたいなのを

 見せてもらえたんだと。」


「いや個人情報保護法どこ行った…。」


「住所とかは見てないらしいよ?

 名前と持ってる資格とか

 過去の表彰歴だけ見せてもらったんだって。」



「だから私なの…?」


「うん。

 ってことでちゃちゃっと食べて

 レオに紙もらいに行くよ。」


こんなことになるなら書かなければよかった…。



自分の唯一の取り柄ではあるけどさ…。