あれから何分経っただろうか。



俺の腕の中にいるカナが急に静かになった。



「カナ。…おしゃべりはおしまいですか?」



「……。」



何も返ってこない。



「ちょっと…。シカト?俺何か怒らせた?」





俺の胸の辺りから、規則的な吐息が聞こえる。



「あぁ……。寝たのか。」



俺の腕の中で、安心しきった顔をして寝ている幼なじみ。


…俺がいつ狼になって、食べてしまうかも分からないのに。



そして今日は一段と…。





俺に見惚れてただとか、他の男に興味無いだとか、俺の匂いが好きだとか言って…。