桜の花が咲いている。


学校までの長い道は桜のトンネルになっていて、春の訪れを確かに告げていた。


この桜を見るのは2回目。


この学校に転校してきて1年が経ったんだ。


この1年で色々なことが変わった。


色々な未来を描けるようになった。


未来を一緒に作っていく人達に出会った。


見上げた空は青空。


高校生活最後の1年の始まりにふさわしい日和だ。



「ことちゃーん!おっはよー!」


「こと先輩、おはようございまっす!」



園田さん白鷺くんカップルは相変わらず仲良しで朝から元気だ。



「今年もごみ拾い、頑張りまっす!」


「よろしくお願いしますね」


「ごみ拾いもだけど、サッカーの練習もちゃんとやってよ。未悠がレギュラーになれなかったら、あたし、応援する気が失せちゃうから」


「分かってるよ!先輩たちを蹴落としてレギュラー必ず獲得する!」


「宣言したんだから、絶対だよ」


「約束は必ずはたしまっす!」



そんな2人の会話を微笑ましいと思いながら聞き、歩いていると、あっという間に学校に着いた。