第8章






捜査6課 神野シン
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6課に戻ってくると、じ~~っと天井を見上げながらヒデさんが固まっていた。


俺が帰ってきた事にも気付かないようだったので、

とりあえず冷蔵庫からオレンジジュースを取りだして喉を潤す。


「何をそんなにも考えてるんですか?」


『1課の高山捜査官及び堺班長からの報告がありました。』


「2代目硫酸魔について?」


『というより、その被害者についてです。

平松刑事部長を経由して私から依頼しておきました。


1件目の高校生、2件目の妊婦女性はそもそもSNSをやっておらず、

椎名ルミさんはInstagramを利用していたものの、

アカウントに鍵を掛けていたので彼女が承認した人間しか見られない状況でした。』


「じゃあ2代目についても結局、

“どうやって情報を得たのか”
って壁にぶつかってるのか・・。」