ケータイ小説 野いちご

死神探偵小早川曼は今日も。

5・小早川曼と恋人たち




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5-小早川曼と恋人たち


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「…は?今なんて?」

早朝署長に呼び出されたった今署長室を出た早坂は丸岡に聞き返した。

「さっき署長が言っていた通りにしろと言ったんだ」

「いやでもしかし…いくら署長の命令とは言えそれはまずいのでは…」

「何がまずい?」

丸岡は立ち止まって早坂を見下ろした。

「お払い箱に入ってカラスに落ちるか?ん、早坂」

「………失言でした。申し訳ありません」

「ふん、それで良い。行くぞ」

「はい」

踵を返した丸岡の後ろ姿を見てふと市ヶ谷の言葉が脳裏を過った。

“自分の出世のために頷くのは捨てられるのを恐れ必死に主人にしがみ付くただの野良犬だ。お前はなぜ刑事になった?”

「……俺は…」

あいつは間違った事は言ってない。だがそれを受け入れたら俺はこの先どうなる?やっとたどり着いたコレを捨てるのか?

早坂は胸元に付けてある一課の刑事である勲章のバッチを見て腕を下ろしたまま葛藤した表情で自分の拳をグッと握った。

それからいつもの一課での朝礼を終え事件の聞き込みに行こうとファイルを鞄に入れた早坂が1人署の入り口に向かって歩いていると、ふと顔見知りの刑事が署内に入って来たのが目に入った。

あいつは確か市ヶ谷の部下の…松浦ユウト…。

しばらく立ち止まって見ているとユウトは何にもない所でいきなり躓いて「わっ!」と派手に転んだ。

嘘だろ…。と早坂は思った。

ユウトは転んだ拍子に鞄の中身を床にばら撒けてしまった。どうやら鞄のチャックを閉め忘れていたようだった。

「大丈夫ですかっ!?」

近くにいた警官2、3人が拾うのを手伝っている。ユウトは「すいませ〜んっ」と謝りながら受け取って慌てながら鞄に詰め込んでいる。

「…………」

ひらりと自分の足元に飛んできた1枚の書類を早坂は拾った。見るつもりはなかったがちらっと見えた書類に書かれた名前を見て早坂は呟いた。

「…三嶋ナナカ」

声に気付いたユウトがハッとして慌てて早坂の方へ駆けてくる。

「あっ、早坂さんすいませんっ!」

「…こちらに飛んできた」

「あぁ、えぇ…みたいですね。ははっ」

「調べてるのか?」

「え?」

「三嶋ナナカを」

ユウトは黙って早坂を見上げた。早坂はユウトの次の言葉を待ってるようにじっとユウトを見ている。


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