ケータイ小説 野いちご

死神探偵小早川曼は今日も。

プロローグ




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プロローグ


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-何気なく発言した事が現実になるなら適当でも何でも言ってみるもんね。

目の前で広げられる明るい光景を嬉しそうに目を細めて見つめていた少女は夜風に靡く長い髪を指先でゆっくり耳にかけた。

「あんたが口に出さなきゃ高校で夏祭りなんて一生やる事なかっただろうってさ。先生が言ってた」

少女より一回り背が高い少年は手に持っていた朝顔柄の団扇をパタパタさせながら窓辺に佇む少女に声をかけた。「さすが生徒会長様」

「私だけの力じゃないわ。皆の賛成あってこそよ」

「その賛成の種を蒔いたのはあんただ」

「妙な言い方しないで、私はあくまで提案しただけ」

S高校3年生徒会長『三嶋ナナカ』と同じクラスメイト『西宮 コバト』が笑顔で見つめ合う。

どうやらこの2人見るからに仲良さそうに見えない。

先程から距離が近かった…よりはコバトが勝手に距離を縮めて来ていた事に嫌気を感じていたナナカはトンとコバトの胸元を手で軽く押すと生徒会室のドアに向かってスタスタ歩いて行く。

「デート?」

からかうように聞いてくるコバトに振り向かずたった一言「馬鹿」と告げてナナカは生徒会室を後にした。

「…じゃあ……地獄?」

当たり前に返事はない。意味深な質問を誰も居なくなった部屋で静かに尋ねたコバトは花火が上がる音に向かって「暑っついねぇ」と話しかけると口元に弧を描き窓の外を見上げた。

「あー…真夏だからか?」。

“そうか?”

「さぁね」

いったい誰と会話しているのか、それはコバトしか知らない。

“お前が先に聞いたんだろ?”

「さてね、知らないよ。忘れた」

笑顔を浮かべる表情と言葉とは反対に形の良い切長の瞳は冷酷だった。

それはどこかここじゃない別の場所を見つめていたかのように見えなくもない。

“…なぁ、お前は今どこにいるんだ?”

「まだ教えなぁい」

コバトは笑った。

「……さぁて帰ろっかねぇ」

コバトはくすくすと笑いながら長いまつ毛をゆっくり伏せた。「大丈夫、ちゃぁんとあんたのとこに持ってくさ…」-


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