じめじめとした梅雨が明け、蝉時雨と共に本格的な暑さが到来した八月上旬。

最愛の彼と初めて結ばれた日から、早くも二ヶ月が経とうとしていた。

周さんは相変わらず無愛想でクールだけれど、私への愛の言葉は絶やすことなく、幸せを与え続けてくれている。

もちろん夜の営みもあり、お互いの気持ちが重なったときに抱き合う感じだ。

周さんが富井さんに対して挑発的に発した、『できるまで毎晩頑張ろうか』という言葉はあながち間違ってはいない……気がする。

彼はベッドでもSっ気を発揮してくるのだが、まんざらでもなくむしろ萌えている私は、どうやらM気質だったようで。相性に関してはまったく問題なかった。

溶けそうなくらい気持ちよくて、天国の存在を知ったのは彼との行為が初めてだし。

私が彼にゾッコンだからなのか、はたまたあの貴族様が上手すぎるのか……と考えるのは野暮なのでやめておこう。