迎えた文化祭当日。

教室内は朝からみんな文化祭を楽しみにしている子ばかり。

男子は騒いで、女子はメイクに気合いを入れて。


そんな中、わたしは1人憂うつな気分のままスマホで加奈ちゃんとのメッセージのやりとりを見返す。


はぁ……都合悪くなって来れなくなったらいいのに…なんて思うわたしはとても性格が悪い。


「糸羽さーん?
もうすぐ楽しい楽しい文化祭が始まるっていうのにスマホとにらめっこですか?」

「寿々……」


どうやら衣装の着替えも、メイクもバッチリ終えた寿々がわたしのもとにやってきた。


「どうしたの、顔めっちゃ死んでるけど」

「このまま文化祭抜け出したい…」


「なんで?」

「だって……」


寿々にこの前あったことを話した。

偶然助けた女の子が、もしかしたら世唯くんと何か関係を持ってるかもしれないということを。